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出生率の目標値って言われてもねぇ……

2006年9月24日 日曜日

出生率の目標値「1・40」新設、年金の信頼回復狙い(読売新聞)

厚生労働省は23日、少子化対策の一環として、将来の合計特殊出生率を現在の1・25から1・40程度まで高める目標値を新設する方針を固めた。(中略)厚労省は、〈1〉現在の年金制度が基準とする将来の出生率が1・39〈2〉現時点で、ほぼ出産が終わった世代の出生率は1・5台――などから、将来の目標として1・40程度を目指すのが現実的と判断した。

さて、出生率を増やすためには、大きく分けて、以下の二つの方法がある。
(1)一家庭あたり(あるいは一女性あたり)の出生数を増やす
(2)結婚率を増やす
で、どちらの方法論をとるにせよ、
<1>時間的・金銭的な問題
<2>結婚・出産に関する思想の問題
という二つの問題が出てくる。

取りあえず問題やカテゴライズを無視して方法を妄想してみると、
・中絶の基本廃止(母体保護法を厳密に適用するだけでよい)
 →若い(とは限らないが)未婚女性の「遊びによる妊娠」での中絶を認めないこととすれば、出生率はかなり増えるだろう。(1)への対策としてあげるが、責任取って結婚、なんていう流れも増えるだろうから(2)も言える。ただし、経済的・精神的理由による子殺しが増えることは間違いない。
・子供の数の自乗に比例した税控除(自乗、というのがポイント。二人いれば4倍、3人いれば9倍、として、累積的に多人数出産を奨励する)
 →(1)の対策。子供を育てるのが金銭的に楽なら、育てる気も出てくるだろう程度の感覚だが、視野をちょっとマクロにするだけで問題は山積する。育児にかけることの出来る時間に関する問題は解決しない(それどころか、巡り巡って考えると、下手をしたら悪化する)。
・所得税を跳ね上げ、それにあわせて結婚の税金控除を上げる(結婚してないと税金で生活やばいよ、レベルまで)
 →(2)の対策。お金が理由で結婚しない方々にはぴったりの脅しと言える。けど、一人暮らしって仕事と箱(家)さえあれば、あとは何とでもなるんだよね。栄養の問題に目をつぶれば、一食100円とかで過ごせるし。(これが認められないレベルまで税金増やすと、今度は生存権の致命的侵害になる)
・結婚や出産を奨励する各種広告
 →(2)の対策で、結婚・出産に関する意識を高める方策。他の政策と組み合わせると効果が高い……だろうが、「それ以上の現実的なデータ・考察」から結婚・出産をそもそも考えない人、というのも相当数いることだろう。果たして、それを一部分でも覆すだけの政策を、政府のような「大きなもの」が打てるのか、疑問は尽きない。
 他にもいろいろあるだろうが、<1>はともかくとして、根本的に<2>をどうにかする政策などないような気がしている。
結婚をしない選択肢(永久に結婚を先延ばしする、という態度を含む)に対して、政府がどれくらい干渉可能なのか。
お手並み拝見と参ろうか。