何が間違っていたのだろう……?

ちょっと、政治なおはなし。柳沢厚生労働大臣が、「女性は機械」と発言したとされる問題について。

文意を正しく取れば、「数字でとらえると」ということにしかならない筈のこの問題が、なんで失言とされるのかがよく解らない。文意を正しくとらえて、その上で失言かどうかを判断してそれを叩くのが正しいやり方なのに、言葉の端だけをとらえてここまで大きな問題にする、というのが、「李下に冠を正さず、ただし地球の裏側までずっとすもも畑」な不条理を感じざるを得ない。

んで、言葉の端の「失言」に気が付き、不快にさせたと発言直後に謝っているにもかかわらず、火はどんどん広がっていく。
新聞から拾ってきた某女性議員の言葉がこのような文面であった。
「考えていないことを発言なぞできない。だからこれは本音だ」
……人間なめんな。確かに考えていないことを発言はできない。だが、思っても居ないことを考えることなぞいくらでも出来る。というか、公平・公正・中立に考える為には多角的に物事をとらえることが必須であり、思ってもいないことを徹底的に考えて検証して、そこから生まれたアイディアは大切にして、生まれた問題点はきっちり回避する。逆に、考えていること=思っていること、などという短絡的な視点の持ち主が民を代表する立場にいることのほうが許せない。

ふと思い出すのが、あるフォーラムでの政治家の発言。
外交問題に関して、以前行った失言を「経緯を説明して」再度謝罪を行うものだったその経緯説明が、再度「失言を繰り返した」と批判されたことがある。
詳細は忘れたが、この記事を見て、あきれかえったものだった。

ここで、もう一度主張を繰り返す。致命的批判は発言の意図に対して行うものであり、言葉の端に向けて繰り出されるものではない。

さて、ここでマスメディアについて振り返ってみよう。
彼らの得意な術は、ピンポイントだけ切り抜いて徹底批判することである。わかりやすさのために必要な最低限の尺を見せるために編集することが彼らの仕事であるが、この「ポイントだけを、短く見せる」手法が全体像を見失わせているような気がしてならない。
今回の柳沢厚生労働大臣の小さな失言は、マスメディアがアンプリファイアとして、数百倍にも数千倍にも大きな失言としてとらえさせている、という考察は決して的はずれとは言えまい。

部分ばかりに注目して、全体のつながりに注視できない。
どこかのアニメを批判したのと全く同じ論点がこんなところにあてはまるとは、どこの世界も大して変わらない証左とも言えてしまう。やれやれ、だぜ。

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コメント / トラックバック11件

  1. mk8426 より:

    文意以前に、そういう例えを使ったのが絶対的に良くない、ということだと私は思いますが。

  2. mk8426 より:

    公人が公の場で口にしていい喩え(上記は誤字…爆)と口にすべきでない喩え、ということで。

  3. より:

    何か、ちょっと前のファミ痛に載ってたFF13の記事とかぶる(ぇ〜
    おいておいて

    真意を見分けられない政治家はどうかと思う
    言葉は主語だけで判断は出来ない
    「主語を見るのではなく文を見る」
    最近はこれを理解していない政治家が多いなぁ…
    確かに表現が少々おかしいと思うのは理解できなくはない
    だが、おかしいだけで終われば単純だと言わざるを得ない
    全体を見ないで考えることはおかしいしね
    それに、発言直後に訂正して謝罪もしている
    どこに問題があるのか理解に苦しむ
    ねらーの煽り程度の理解力しかないんだろうか…

    マスゴミはもういいや(おぃ
    ツッコミが多すぎて論じるのがめんd(マテ

    そういや
    どっかの政党のある人は疑惑解明せず、謝罪もせずに表から消えたなぁ
    それに比べたらどうってことない発言だと思うが
    (野党って、駄々っ子しかいないの?

    ・余談
    厚生省長官より防衛省長官の方が問題ありに見えなくもない…という戯言
    せめて公の場では対立しそうな自論は伏せようよ…

  4. 菅野たくみ より:

    今回の問題は、「女性を『子供を生む機械』として見る」という発言が、「女性は『子供を生む機械』である」という発言としてとらえられている、という点に尽きると考えています。
    後者は内閣総辞職に値する大問題発言ですが、前者は文意を正しくとらえれば全く問題ありません。ある極端な視点を仮定して、そこから現状の問題点をあぶり出すのは議論においてしばしば用いられる手法であり、その視点はあくまで問題提起・シミュレーションのための視点に過ぎないからです。結論まで行ったら大問題ですけどね。

    今朝の朝日新聞は、1面のコラムにて早速発言をすり替えて印象づけたわけですが、同じ面に乗っていた柳沢大臣の「真意が全く伝わっていない」というコメントが印象的でした。

    と言っても、私もちゃんと発言全体を聞いたわけではないので、私の言葉がすべて正しいとは言えませんけどね。今回の問題発言を含む講演全体の発言要旨って、どこかに落ちてないかなぁ……。

    > mkさん
    おっしゃるとおり、「喩え」としては確かに不適切であった可能性は否定いたしません。政治家さんですし。しかし、直後に謝罪・撤回していることすら考慮されずにこの大騒ぎです。
    文意以前、がここまでの大問題に発展することに、私は恐怖を感じています。
    この問題で、発言の意図そのものがメディアで議論された形跡が全く聞こえてこないのにも、洗脳されていくかのような恐怖を覚えます。

    > ☆さん
    同意&補足ありがとー。
    おっしゃるとおり、政権をつつくなら他に突っ込みどころ一杯あるんだよね、とも思う。
    言われてなるほど、民主党については、今回の失言問題は渡りに船なのかなぁ、とか邪推してみたりw

  5. mk8426 より:

    極言すると

    「揚げ足を取られるような発言をするな」

    ということです。

    特に、「そういう」立場の方々は。

  6. 菅野たくみ より:

    >mkさん
    極言でもなんでもなく、それが真実でしょう。

    ただ、なぜか「揚げ足を取る側」を批判する意見がほとんど聞こえてきません。中立であるはずのメディアですら、揚げ足取りに夢中です。
    揚げ足を取れるか否かが死活問題の政治屋さん達は仕方ないにしても、ね……。

  7. mk8426 より:

    いや、マスゴミの連中は揚げ足取りこそが自分たちの使命だと思ってるフシがあるので。

    一般ぴーぽーは「主流派と目される意見に迎合する」宿命なのでこれまた仕方ないですね。

    で、ごく一部の人たちだけが地団駄踏むと…。

  8. 菅野たくみ より:

    http://blogs.yahoo.co.jp/blogger2005jp/45841129.html

    いいリンクを発見。この部分だけではありますが、発言要旨がはっきり示されています。
    橋下弁護士GJ、私の言いたいことをよりわかりやすく的確に指摘してくれました。

  9. より:

    っ「ttp://www.sankei.co.jp/kokusai/korea/070203/kra070203000.htm」

    あれ?
    同じようなの見たことない?
    特に最後の二文

    やっぱり同じ思想なんだn

  10. 菅野たくみ より:

    柳沢大臣の、次の失言が発表された。

    「若い人たちは、結婚したい、子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいる。若者の健全な希望にフィットした政策を出していくことが大事」(asahi.comより引用)

    なんでも、「(極めて)健全」という表現が、生き方の多様性を否定するのだとか。
    少子化対策の視点から考えれば、きわめて健全という評価が何一つ問題ないと考えられるが、生き方の多様性という面から見たら問題といえる。前後関係も含めて見ないと何とも云えないが、今回の記事はちゃんと発言要旨っぽい。

    ただ、少子化対策を推進しろと言われているところ、多様性を盾に発言をかたっぱしから叩いてしまえば、決して有効策など生まれない。

    多様性を主張する方々は、少子化対策について、どのようなポリシーからどのような政策を打ち出してその効果を定量的に推測し、どうやってそれを万人が納得するように、そして誰からも批判を受けないように説明するのか、ぜひ聞いてみたいものである。とくに、「どのようなポリシーを」の部分。

  11. より:

    コメントが長くなりそうなんで、この問題に関してはこのレスで自分は終わり

    揚げ足はどっちもとれるんだよね
    月曜日に柳沢バッシングのみずほ氏がこんなことをHPで
    『子どもを埋めたい人の気持ちは?』
    っ「ttp://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/914866.html」
    揚げ足を取っていた人が取られる立場になりそうな悪寒

    >生き方の多様性という面から見たら問題といえる。
    同時に考え方も多様性である
    否定、批判は上記観点から問題にはしないが、考え方の尊重はしないのね…
    だからマスゴミだと小一時間t(ry
    言葉全否定して何がしたいんだか、と思ってしまう

    >どのようなポリシー
    記事とは直接的に関係ないけど、陪審員制度が連想される
    国会にあがる前の前評判では高い支持率だった
    しかし、今はどうだろうか?
    誰もが「自分はやらない」と言っているように見える
    (実際参加したいと思う人は半分以下
    (義務化の案まで出てきている始末
    一言で言えば他人任せ
    「自分は産まないけど、他の人がたくさん産んでくれる」という思想
    政策や効果はほとんど考えていないんじゃないかなぁ
    だって、マスゴミに出ている人は誰も批判ばかりで具体案出てないもん
    養育費補助や支援体制の充実とか理想論ばかり
    国債も考えて発言しろよ、と小一時間t(ry
    (政党補助金撤廃して支援体制するくらいの覚悟がないのかねぇ
    (あと在日関係の補助金とか
    (無駄ばかりぢゃん

    そういう考えでs
    いつも通り支離滅裂っぽくてすまんorz

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