幻想ノ宴・先手有利解消のための提案

幻想ノ宴。
安価でカードをそろえられ、コンセプト・ルールもおもしろいと、東方シリーズを知るカードゲーマー達に評判の高いこのゲームであるが、現在問題点が一つ発覚している。

それは、先手が有利であるということ。

これに対して、来週の大会で「先攻第1ターンにスペルを立ててはいけない」というテストが行われる予定だ。このルールについては、大会主催者さまのblogを参照されたい。

しかしながら、私はタイチョさんと議論を行った結果、このルールは先手不利を解消しないという結論に至った。

先手有利の最大の点は、呪力生成が1ターン速い点にある。
現在のルールでも、私が対戦をする中で、「レベル3〜4のデッキ(現在の主流)において、先手1ターン目でスペルを立てるのは呪力的に不利なのでやめたほうが良い」というアドバイスをいただいたことがある。
これは、上記ルールは単純にデッキ構築の幅を狭めるだけで、先手有利の解消にいっさい貢献しない。

試しに、議論相手であったタイチョさんと行った呪力状況の試算は以下の通り。

先手 後手 先手次のターン
1  1  3
3  3  6
6  6  10
10 10 15

この先は引き次第ではあるが、上記を見ればわかるとおり、生成される呪力は常に、先手≧後手であることに注目されたい。
特に、第3ターン後手(6-6)、第4ターン先手(10-6)、第4ターン後手(10-10)などを見るとわかるように、呪力を追うと、先手が常に主導権を握る形となる。

つまり、先手有利を解消するためには、序盤における先手の呪力を少し縛るか、後手の呪力を少し優遇するか、のどちらかの選択を行うことが必要となる。
そこで、対案として、現在検討中のルールが一つある。

「後手は第1ターンに限り、スペルカードを2枚セットすることが出来る」

先ほどと同様に呪力状況の試算を行うと、

先手 後手 先手次のターン
1  1  3
3  4  6
6  8  10
10 13 15

となり、机上計算においては、「ターン進行側のほうが多い」状況をうまく保つ、すなわち先手有利の状況をうまく解消できることが出来ることがわかった。上記状況においては、第3ターン後手(6-8)、第4ターン先手(10-8)、第4ターン後手(10-12)などとなり、確かに先手有利が解消されていることが確認できる。

この記事を書いた時点では、練習試合などの実戦テストを行う環境がないため、実際の現場ではどう動くかわからないが、他にうまい案が見つからない。
(先手有利が解消しなかったり、後手2ターンめにドラメテが立ったり、などの懸案が残る)
現在の議論ではこれが呪力を調整する唯一の案となるが、果たして実戦としてはどうなのだろうか。「幻想ノ宴」の上位プレイヤー各位に、ぜひご意見を伺いたい。

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コメント / トラックバック7件

  1. mickey より:

    記事、興味深く読ませていただきました。
    いち凡プレイヤーですが少し…

    自分は今度のルール改訂テストに関しては賛成とさせて頂いています。
    理由は呪力1スペルの1ターン目起動は確かに先行に有利な行動のうちのひとつだと思うからです。
    「デッキ構築の幅を狭める〜」という意見に対しては、ルールが必ず先にあっての構築であると思いますので、現状ルールに成り立つ構築と新ルールに成り立つ構築について比べて問題にしても仕方がないのではと思っております。

    呪力差については、自分も似たようなことを考えていたのですが(稚拙な記事ですが自分のブログに詳しく書いております)、後攻の1ターン目スペル配置2枚というのは考えたこともありませんでした。
    確かにこの方法だと呪力バランスがかなり改善されるので効果あるのではと思います。

    少し指摘があるとすれば、後攻初期手札にスペルが1枚だったときは全く意味をなさない、というところでしょうか。
    すると、遠回しではありますがスペル枚数を少なく構築しているデッキの『構築の幅を狭める』ということに繋がり、記事前半の意見と少し矛盾が生じるのではとも思います。

    長々と意見させて頂きすみません。

  2. こうき より:

    上位プレイヤーではないけれど・・・

    最近始めたばかりな自分の個人的な考えとしては

    先手後手の勝率差を緩和する事は必要かもしれないけれど、先手後手の状況を近づける事は必ずしも必要ではないかなぁ、と考えてます。

    それ(先手有利な状況)以外の点では非常に完成されたゲームバランスなので余計にそう思えてしまうんですね。

  3. ホントイ より:

    僭越ながらコメントを。

    後手1ターン目に2枚配置する案、かなり問題のある案と感じました。
    先手が1、3、6、10に対し後手は1、4、8、13と増えていき、ターンが過ぎれば過ぎるほど後手が有利になってしまいます。
    これは先手後手の有利不利の解消をもたらすどころか、後手有利という問題を新しく生み出すものではないでしょうか。
    また、デザイン上呪力4のスペルカードは2ターン目に起動できないよう作られていると推測されます。
    そうしたデザインのところを破壊することもまたまずいのではないでしょうか。

  4. 罪悪夜行 より:

    個人的には呪力の有利差を埋めるために呪力の発生を同タイミングにしたらどうかと考えます。
    たとえば先手の充填フェイズに後手の分も発生、後手のターンには発生しないが先手のターン中にもコストがあるのでイベントなどが使用できる。
    後手は先手より呪力の使えるタイミングが遅くなる分カードを一枚余分にひけるということで補えるかなぁとか夢見てみました

  5. 菅野たくみ より:

    各位、コメントいただきありがとうございます。いただいたコメントについては、じっくり検討した後に、また後日改めてblog記事として返答させていただきたく思います。

    他にもご意見などありましたら、ぜひお寄せください。考えることが増えれば増えるほど、きっといいルール提案ができると思うのです。

  6. より:

    思ったんだけど
    以下を考えてみたんで、ご一考をお願いします

    ?1ターン目は先手後手の双方がスペルを起動状態に出来な

    ?相手の攻撃時に呪力があれば割り込みでスペルを起動できる
    (スペルの呪力+1コスト支払う
    ただし、その攻撃ターンが終われば防御の如何に関わらずタップさせる

    片方だけではなく、2つ出来てとの考えデス
    先制攻撃が多少なりとも防げること、かな
    でも、これにはルールを変えないとダメっぽいのは内緒

    宴触って4日の☆ですが参考になれば、とorz
    (机上の空論かつ妄想甚だしいとか言わないd

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