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マリみて
おとボク
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その日、二条乃梨子は、あまりにも神秘的な空間に出会った。
銀杏並木にたたずみ、頭を垂れるマリア様。
お姉さま――あるいは、志摩子さんと呼んでもいい。
そして、
黄色い
乃梨子の見る彼女の姿は、この世に存在するあらゆる絵画より美しかった。
その日、福沢祐巳は、あまりにも庶民的な空間に出会った。
銀杏並木に立ちつくし、視線で捜し物をする同級生。
白薔薇さま――あるいは、志摩子さんと呼んでもいい。
そして、手元の
祐巳の見る彼女の姿は、この世に存在するあらゆるミスマッチより似合わなかった。
その日、藤堂志摩子は、あまりにも理想的な空間に出会った。
大好きな銀杏の実、大好きな友達、そして大好きな妹。
マリア様のご加護――あるいは、桃源郷と呼んでもいい。
そして、手元の
志摩子の考える自分の姿は、この世に存在するあらゆる人間より幸せだった。
その日、島津由乃は、あまりにも衝撃的な空間に出会った。
銀杏並木に存在する、ふたりの2年生とひとりの1年生。
山百合会――あるいは、親友たちと呼んでもいい。
そして、3人の表情が彼女の想像を超え、下すべき判断を見えなくする。
由乃の見る彼女たちの姿は、この世に存在するあらゆる現実よりゆがんでいた。
ファイバー束ネタ第2号です。
ファイバー束の空間を考えるとき、接空間(空間の微分)に対して、垂直空間&水平空間というふたつの部分空間を考え、その空間の性質から、対象を考察します。
このとき、対象の空間のゆがみ具合を、曲率curvature、ねじれ率torsionといった計算によって計測し、測地線とよばれる、拡張された直線を考えることで、ゆがんだ空間でも平行移動ができるようになります。
この話の場合は、志摩子という空間を考えるときに、乃梨子の視点=垂直空間、祐巳の視点=水平空間を与え、ふたりの表情=その座標系での値をもとに、由乃が曲率を計算したというお話でした(ぇー。