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elder-alliance.org  >  奇跡のかけら  >  KanonTCGSS  >  その41

この話は、Key・VisualArts「Kanon」、ティーアイ東京「Air&KanonTCG」から取材しました。 関係する会社名・商品名および一部の人名に限り実在しますが、その他全てフィクションです。 以上をふまえた上で、お楽しみいただける方は、この話をお楽しみ下さい。

第41話~非公認大会:3~

「では、セカンドペイコストフェイズ、3コストで『奇跡的再会』を」

「ごめんなさい、それはさすがに『注目の視線』です」

よしひろは、何故かバトル能力値に差の付かない羽デッキを相手に、妙な既視感を覚えていた。

どこかで見たことがある、このデッキ……。

そう思った瞬間、よしひろの目の前に、一人の男の影が映る。

葵。

よしひろの、高校時代の同級生にしてKanonTCGのライバル。

時々変なデッキをもってきて順位を落とすも、ターンスキップが決まると、間違いなくフィールドクリアが見える。

……所々で決まる、「婦警栞」「サラマンダー美汐」も、彼のデッキと一緒。

なるほど、いつものように戦えばいいんだ。

そう思うと、よしひろは、目の前の、その東京の友人とは正反対の性格をした青年に、向かい合う。

攻略の糸口を見つけたならば、後は運の勝負。

「ターンエンドです」

沢渡の宣言に合わせて、よしひろのターンがやってくる。

3ドロー。

そして、一秒と迷うことなく、よしひろはカードをスタックした。

勝負は、圧倒的だった。

相手のスタックを制限するタイプの佐祐理のデッキに対し、大輔のデッキは、早急にカードをフルスタックし、殴り勝つデッキ。

通常の3倍の速さ。

森大輔のデッキを例えるならば、まさにそれ。

佐祐理の手札には、すでに有効なスタック制限効果を得られない「脱水症状」。

フィールドには、微妙にスートが消える位置にある「婦警美汐」。

相手の夜食セット相手に、コストを集めている余裕さえ消える。

勝負は、圧倒的に森大輔の有利だった。

秋子のフィールドクリアが決まった、第2戦。

(シャンパンシャワーは……スタックするだけ。相手には送らない)

冷静な判断で、香里は相手のフィールドクリアに備える。

「あらあら、仕方ないわね……エンドフェイズに『大いなる危機』」

「のーむさん、それを『注目の視線』です」

「あら?でしたら、『強靱な意志』……手札がなくなってしまいました」

香里のフィールドは、わずか2枚の裏向きカード以外は、すべて表向きの『舞』と『佐祐理』。

それに対して、秋子のフィールドは表向きのアイテムカードが3枚と、裏向きのカードが2枚。

秋子の指定で、香里のフィールドは、表向きのカードがすべて消える。裏向きのカード……『夜食セット』と『シャンパンシャワー』が強制的に表向きになる。

続いて、香里の指定。表向きのアイテムカードが『秋子さん特製ジャム』『プリントクラブ筐体』『コスプレ会場』であることから、重複はないと判断、裏向きの2枚のカードを表向きにする。

……『魔方陣』と、『魔女っ娘栞』。

香里の手札は5枚。

「あらあら、魔方陣の宣言が『ファッションショー』、魔女っ娘栞の宣言が『ヒロイン登場』でいいかしら?」

「……どうぞ」

きっちりと、手札に2枚蓄えていたファッションショーが無駄カードになる。

そして、香里には、分かっていた。

次のターン、シャンパンシャワー→夜食セットの順番で殴られると敗北することを。

「では、『バニーガール名雪』が表向きになります」

「……りょかです」

バトル能力値の、圧倒的不利。スート宣言で覆すこともままならない。

かといって、たくみお得意の『着物美凪』は、たった今封じられたばかりだ。さらに、栞のフィールドにはクノイチ名雪がすでに3枚展開されている。

たくみの勝利ポイントはわずかに3。そのうちひとつはサラマンダー美汐。

表向いている婦警栞。相手の『バニーガール名雪』とは最悪の相性を誇る。

「……では、巡回パトロール。『ブルマ香里』をドローします……で、『ウェイトレス栞』をディスカードしてリムーブ3枚。そして通常の3枚ドロー……はぁ」

リムーブされた「天使あゆ」を見て、ため息をつくたくみ。

(巡回パトロール、さっきの美衣さんとの試合だと使い忘れるし、今は思いっきり裏目だし……)

とりあえず、カードをスタック。

「バトル。ここからここ」

たくみの、ファッションショーで呼ばれた『魔女っ娘栞』が、栞の『チュチュ名雪』に敗北する。

「……セカンドバトル、入りますか?」

「ええ、どうぞ」

「ここからここへ」

たくみは、婦警栞がスタックされているラインを削り、栞の『クノイチ名雪』を一枚だけフィールドから取り除く。……勝利ポイント置き場へ。

栞の勝利ポイントはこのターンで2から4へ。

バトル能力値を高める手だてのないたくみは、窮地の綱渡りを続ける。

青龍香里という、たった一枚への望みを託して。

「……バトル。ここからここへ」

また、美汐が勝利ポイントを奪われる。

原因は、たった一枚のカード。

「Yシャツ美汐」。

いつもは逃げなりイーブンなりが効くはずのスタックが、全くの無力。

スピード展開をもくろんでも、スタックの絶対数が足りない。

婦警美汐でスタックを減らされ、その間に殴りかかられる。

何故か、相手のフィールドには夜食セットまで張られている。

開いた原因は、「スクール水着真琴」の特殊能力。

舞の手札には、一枚の「食べ物の恨み」を含む6枚のカード。

(やはり、「葛藤」で「食べ物の恨み」を取らせたのは失敗でした……)

東京の基本戦略である、「ファッションショー」系列のカードを葛藤で取らせない作戦。

デッキタイプを隠すために行ったその基本戦術が、いま裏目に出ている。

(何とか……あと2コスト、引ければ……)

美汐のフィールドには、2枚の「プリントクラブ筐体」と、1枚のキャラクターカード。手札には2枚の「服装検査」とたくさんのフィールド攻撃カード。

フィールドの3列目にスタックされている天使人形が開ければ……。

そう願い、美汐はラストターンのドローにすべてをかける。

引いたカードは、「注目の視線」「ウェイトレス栞」「食べ物の恨み」だった。

こちらも、一方的な勝負。

「うぐぅ……巫女裏葉……」

「あゆ、ストールにイーブンは通じない。あきらめろ」

祐一の勝利ポイントは6。

魔女っ娘栞で「ほんわか雰囲気」「神託」を封じ、佐祐理さん特製弁当は「誘導」「浴衣栞」の餌食。

フィールドのスタックを見れば、勝負は一目瞭然。

あゆがフィールドクリアを狙っているのでもない限りは、祐一の勝利は明らかだった。

つづく。

あとがき

2回戦はこんな感じで終わりました。

1:前回のよしひろさんと栞の年齢の件ですが、一応、よしひろさんのほうが1週間ちょっと年上だそうで。

2:佐祐理さん戦、実はふつうに「婦警栞」使い忘れてました。ご指摘いただいたオジャ郎さん、感謝!

3:古いタイプのイーブンって、本当にストールと相性が悪いんですよね……実は。

最近、東京ではバトル能力の基本値が高い「秋子さんイーブン」というタイプまで発生しています。

環境の固定化というティーアイの実験なら、まだおもしろいと思うのですが、本当に見捨てているっぽいし……(汗)

ではでは、次回をお楽しみに~。