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elder-alliance.org  >  奇跡のかけら  >  KanonTCGSS  >  その40

この話は、Key・VisualArts「Kanon」、ティーアイ東京「Air&KanonTCG」から取材しました。 関係する会社名・商品名および一部の人名に限り実在しますが、その他全てフィクションです。 以上をふまえた上で、お楽しみいただける方は、この話をお楽しみ下さい。

第40話~非公認大会:2~

「えぅ……イーブンコントロールひどいです……しかもパジャマあゆに天使あゆ……」

「まあ、こんなものですよ」

栞とよしひろ。圧倒的な実力とデッキキャパシティで、よしひろがあっさりと勝利する。

そして、スコアカードの記入。

少女の、白魚のように透き通った、小さく細い手が、少年の心をくすぐる。

綺麗な手。

あまりに月並みな感想しか、浮かばない。

スコアカードを自動書記しながら、よしひろはそんなことを考えていた。

「はい、書き終わりましたよ、よしひろさん」

「どうも。こちらもです。……えっと」

よしひろは、ちょっととまどってから、栞に訊ねる。

「栞ちゃん、って呼んでいいですか?」

「え?」

その一言にとまどう栞。

それに一番早く反応したのは……

「よしひろさん、それは問題ありかと」

栞でも祐一でもなく、一つ奥の卓で勝負している、たくみだった。

「えっと……Aらんちさん、たしか、ばにらさんってAらんちさんの一つ下ですよね?」

「ええ、そうだけど……今は試合中よ」

桂馬の位置にいる卓で勝負している香里に話しかけるたくみと、それに答える香里。

「あ、すみません。……というわけでよしひろさん、同い年にちゃん付けは問題かと」

「え゛……」

たくみの一言に、よしひろの表情が凍る。と同時に、栞がふくれた表情を見せる。

「すみませんでした、では栞さん、で大丈夫ですか?」

「……分かりました、それなら許してあげます」

第2ゲームが終わって。

「甘いわよ、相沢君」

「香里……腕を上げたな」

相沢君のストールに、婦警栞とサラマンダー美汐が入っていなかったのは救いだった。

そう、香里は思っている。

今の2ゲーム、どちらも、祐一にサラマンダー美汐を使われていたならば香里は負けていたはずだった。

剣とストールの戦い。

剣の勝利。

紙一重の勝負が終わった。

第3ゲーム、第5ターン。美汐の第2ペイコストフェイズ。

「では、『大手術』です。対応はありますか?」

「あら?せっかく『天使人形』が見えてることだし、『虚無感』をレントゲン写真に使っておきますね、美汐ちゃん」

美汐のフィールドには、レントゲン写真と天使人形。

秋子のフィールドには、たった一枚の裏向きカード。

美汐の手札には対応手段は残されていない。

同時処理は、アクティブプレイヤーが先に処理する。

美汐の敗北が、ここで決定した。

第2ゲーム、第3ターン。

たくみは、小悪魔栞の特殊能力で、婦警栞をフィールドの左端に呼ぶ。

「バトル。右から真ん中です」

いつものプレイングどおり、逃げやすいように薄く設定して置いた右端から殴る。スートは1本。が、それで十分。

「7対6ですね」

「はい、『全力疾走』のドローをどうぞ」

たくみの勝利ポイントが、2から3へ増える。

「ターンエンドです」

次のターン。

佐祐理はカードを3枚スタックする。

「1コスト。夜食セットです」

そして、逃げられるのを分かっていて、あえて薄い2列に殴る。

自分のスタックは減らずに、相手のスタックを完全に一列に押さえ込む。

「ではここで、『脱水症状』です」

「……かしこまりました」

そして、空っぽになった、ふたつのラインを指定する。

典型的な、逃げタイプのデッキのつぶし方。

夜食セットとスタック制限カードの組合せは、展開力すなわちカードスタック数を重要視するこのカードゲームにおいて、致命傷となる。

佐祐理が、バトルデッキでよく用いる技。

そして、たくみが東京で何度も決められ、苦手とする技。

佐祐理のフィールドには、11枚のカード。

たくみのフィールドには、4枚のカード。

逃げ効果を重要視し、ファッションショーを減らしている。

女神みちるは、すでに2枚使っている。

この状況、たくみのデッキでは、追いつかない。

たくみがこの状況を打開する方法は、ただ一つ。

手札の『膝枕』を使い回して3ターン稼ぎ、その間にすべてのサラマンダー美汐と一枚のウェディングドレス美凪を引くしかない。

だが……デッキの回転能力が落ちている今、そんな芸当は、できるはずもなかった。

絶望に打ちひしがれながら、次のドローをする。

Yシャツ美凪、魔女っ娘栞、チアリーダー香里。

たくみの敗北は、確実に近づいていた。

そして、認めてはいないが、分かっていた。

このまま、あと数ターンで、押し切られることを。

「1枚スタックしてターンエンドです」

「ではドローしますよーっ」

佐祐理の無邪気なその声が、たくみには悪魔の宣言にしか聞こえなかった。

「スタックフェイズに移ってよろしいですか?」

森大輔の宣言。

平然と、しかしどこか言葉に歓喜と焦りの色が見える。

この男、何をこんなに焦っている?

裏を読もうとするが、手札に、キャラクターカードしかない舞にできることはない。

「……問題ない」

そのまま、対戦相手は3枚のカードをスタックする。

「アットゥシ真琴オープン、何かある?」

「……それで負け」

「ふぅ、一枚だけ入れておいたの忘れてた……」

「……やられた、うまい」

そして、運勢の波に乗った大輔に、舞は撃破される……。

「では2回戦ですね」

沢渡の発表。

「最初は、よしひろさんと……僕ですね。

で、次が森大輔さんと海原美衣さん。

Aらんちさんとのーむさん。

菅野たくみさんとばにらさん。

まことさんとまじかる☆さゆりんさん。

で、最後が謎じゃむさんと水瀬冬美さん、です」

そして、それぞれが席に着き、次の戦いを始める。

つづく。

あとがき

1回戦はこんな感じで終わりました。

1:よしひろさんですが、これが3月10日~12日くらいの設定ですので、よしひろさんの誕生日次第では栞のほうが年上の罠w (学年は……栞が1回だぶってるからw)。

2:森さんのデッキには、普段「アットゥシ真琴」なんて入ってませんw。わたしは3枚入れてますがw

3:わたしが食らった脱水症状ですが、作中のような特定の状況下ですと、マジで1コスト奇跡的再会に近い強さを誇ります。 東京の人間で疑わしいと思ったら、オジャ郎さんと勝負してみればすぐにわかりますよ♪

第4部は、身内の反響がかなり大きいシリーズです(そりゃ身内の人間を登場させてるのだから当然w)ので、丁寧に書いていけたらと思っています。

ではでは、次回をお楽しみに~。