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elder-alliance.org  >  奇跡のかけら  >  KanonTCGSS  >  その39

この話は、Key・VisualArts「Kanon」、ティーアイ東京「Air&KanonTCG」から取材しました。 関係する会社名・商品名および一部の人名に限り実在しますが、その他全てフィクションです。 以上をふまえた上で、お楽しみいただける方は、この話をお楽しみ下さい。

第39話~非公認大会:1~

「では、第1回戦から。えっと……」

沢渡が、カードを並べながらそれぞれの名前を読み上げる。

第1回戦は、東京と北国のメンツの対戦。

よしひろ対栞。

大輔対舞。

香里対祐一。

美汐対秋子。

たくみ対佐祐理。

「で、不戦勝が……水瀬冬美さんですね」

「うぐぅ……」

「え?沢渡さんも参加されるんじゃないんですか?」

沢渡の、ジャッジとして当然の振る舞いに対し、たくみの素っ頓狂な意見。

「そうですね、せっかくの非公式戦ですし……」

佐祐理もそれに同調する。

「そうですか……それでは、お言葉に甘えまして、最終組が水瀬冬美さん対私と言うことで」

こうして組合せが決まり、それぞれがお互いの対戦相手と向かい合う。

「「「「「「「「「よろしくお願いいたします」」」」」」」」」

和やかに、自己紹介を兼ねた非公認大会は始まった。

よしひろの対戦相手は、栞。

栞のデッキは時計だが、ストール使いであるよしひろは、それほど苦手意識を持っていない。

更に、相手のプレイングは、自分の持つプレイングスキルよりずっと下であることを、4ターン目の現在、すでに分かっている。

……ストールにとって、本当に怖いのはストールだけ。

今のよしひろは、自信を持ってそう言いきる。

だから、試合以外のところにも気が回る。

その余裕を彼がどこに向けたかというと……彼女、美坂栞の振る舞い。

ドローフェイズを宣言する、透明で高い声。

スタックを考えているときの、かわいらしげな表情。

ペイコストフェイズの、無理をして作られた小悪魔的な表情からつながる、一挙手一投足。

そして、バトルフェイズに入る宣言を行う、わずかなりりしさ。

そのすべてが、よしひろの心を支配していく。

(この子……すごく可愛い)

圧倒的なデッキ相性の不利を跳ね返し、圧倒的有利な戦いを繰り広げながら、よしひろは間違いなく、栞に一目惚れしていた。

彼は、焦っていた。そして、祈っていた。

森大輔が対峙するのは、猫使い。

相手のデッキのレベルは、それほど低くない。

そして、自分のデッキに「あゆ」は、3枚の「着ぐるみあゆ」しかいない。

すなわち……圧倒的に不利な相性。

彼が、その相性のハードルを乗り越えるためには…… 相手のシスター真琴が出現する前に、夜食セットと漆黒の海賊旗をセットし、そして、デッキを削るしか、ない。

限りなく細い道。その道を、一歩一歩踏みしめる暇はなく、一気に駆け抜ける。

次のターン。彼は宣言する。

「3枚スタック、ライダースーツ舞をオープン。漆黒の海賊旗も開けます。

バトル宣言、左のレオタード佐祐理が真ん中へ」

能力値、5対5。何もせずに、スート差だけで勝利する。

「能力1ドロー。ターンエンドします」

「……ではこちらのターン、3ドロー」

それに気がつかないのか、それともすでに気がついているのか。

舞は、淡々とプレイを進める。

「……バトル。ここからそこ」

舞が攻撃に指定した小悪魔真琴が、大輔のセーラー服舞を討ちにかかる。

「……ライダースーツ舞『チキンラン』を11回宣言」

大輔のデッキが、42枚から一気に20枚まで減る。

「……? どうぞ」

「では、ライダースーツ舞が勝利ポイントに置かれ、さらに漆黒の海賊旗が発動」

「……なるほど、頭いい」

「セーラー服舞が+3するけど、なにかある?」

「……それは負けでいい」

これで、大輔の勝利ポイント置き場が2から5へと一気に増える。

しかし、ここからが……遠い。

「……セカンドペイコスト。ライダースーツ真琴をコスト、魔方陣。宣言は『漆黒の海賊旗』」

「なっ……」

舞の魔方陣を見た大輔は、自分の捨て札とリムーブをチェックする。

……3枚の魔方陣と、浴衣佐祐理は、すべてゲームから取り除かれていた。

そして、最後の望みは……未だデッキに眠っている、2枚の『レオタード佐祐理』と、1枚の『夜食セット』だけ。

それでも、彼はひるまない。

剣使いたるもの、覚悟を決めて、最後まで突っ走るのみ。

彼は、祈るように、3枚のカードを引いた……。

香里と祐一。

この地方のバトルデッキの、最高峰2人がぶつかり合う。

「また……相沢君なのね」

「ああ、今度は負けないからな」

そして、いつものように、デッキを取り出す。

「香里が東京でどれだけ強くなったのか……見極めてやるよ」

「どうかしらね、強くなったかもしれないし、弱くなったかもしれない」

「……まあ、やりゃあわかるってことか」

「ええ。さあ、始めるわよ」

ふたつのバトルデッキはぶつかる。

お互いに、何の遺恨も残さないように。

美汐と秋子。

この地域における、3人のコンボ使いのうちふたりがぶつかる。

「対戦するのは、初めてですね。美汐ちゃん。」

「ええ、のーむさんの力は、香里先輩からよく伺ってます」

「私、それほど強いわけではないんですけど……まあ、いいでしょう。 デュエリストは、戦うことによってのみ、相手の力量が分かりますから」

「そうですね。始めましょう」

ふたつのコンボデッキが、ここでぶつかる。

いっさいの空気の乱れを許さない、一瞬の駆け引き。

どちらがその一瞬をものにするのか、それは神のみぞ知る。

そして、最後のテーブル。

「菅野たくみさん、SS拝見させていただいていますよ~っ」

「あ、ありがとうございます」

「でも、『降りかかる災い』で、佐祐理が相当悪者になっていたのが残念でした……」

「……(汗)えっと、そのへんはあとできっちり補完しますので……」

「楽しみにしてますので、お願いしますね」

「更新は遅くなると思いますけどね……とりあえず、勝負始めません?」

「ええ、始めましょう」

佐祐理が先攻。

「ドローします……あっ」

佐祐理の、驚きの一言。

「どうしました?」

「いえ。……では、追跡調査。宣言は『ファッションショー』です」

対応宣言はなし。佐祐理は、たくみの手札を見る。

「……ありませんでしたか……」

そして、佐祐理はカードをスタックする。

「では、カードをオープンします。スクール水着真琴が表向きます。で、『水遊び』です。よろしいですか?」

「どうぞ」

「では、夜食セット2枚が表向きます……」

「それで投了です」

佐祐理が、1戦目をあっさりものにする。

「本当は、『脱水症状』でフィールドをコントロールしていく予定でしたのに……」

「マジですか?」

脱水症状。東京の上級者の一人でたくみの苦手とする相手、オジャ郎の得意カード。

やる気が一気に失せたたくみは、それでもスペアカードを慎重に選び、2ゲーム目に入る。

「さて、次はこちらの先攻ですね……」

得意の、ヒットアンドアウェイが全く通じない相手との勝負。

分は……明らかに、佐祐理の側にあった。

つづく。

あとがき

1回戦はこんな感じです。

ちなみに、東京陣営の実力は、4月初旬が目安のつもりです(あくまで「つもり」)。

で、私のページには「MMRing」と「降りかかる災い」が4月中旬の分くらい落ちていまして、 この「KanonTCGショートストーリー」は存在しないことになってます。

よしひろさんのページ・森さんのページは、普通どおり存在します。

香里と美汐のページは……まだ未定義ですね。たぶんページは持っていないかと。

ではでは、次回をお楽しみに~。