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elder-alliance.org  >  奇跡のかけら  >  KanonTCGSS  >  その36

この話は、Key・VisualArts「Kanon」、ティーアイ東京「Air&KanonTCG」、 およびイエローサブマリン秋葉原デュエルセンターとその周辺地理から取材しました。 関係する会社名・商品名および一部の人名に限り実在しますが、その他全てフィクションです。 以上をふまえた上で、お楽しみいただける方は、この話をお楽しみ下さい。

第36話~東京の上級者~

季節は、冬。

冬休み直前の補講期間、毎週木曜日の午後は時間をあけている香里と美汐は、 いつものようにKanonTCGの大会に参加しようと、東京は秋葉原、イエローサブマリンデュエルセンターへと足を運んだ。

そこには、KanonTCGプレイヤーが、約20人。

それぞれが、思い思いのことをしている。

トレカをする人、デッキを眺める人、入場者を確認する人、世間話に耽る人。

その輪の中に、いつものように2人はとけ込んでいく……。

「では、いつものようにはじめさせていただきます」

ヘッドジャッジである店員が、スコアカードを配布し始める。

そして、美汐がまずあたったのが、「よしひろ」さん。

「よろしくお願いいたします」

「よろしくお願いします」

いつものように挨拶を交わし、対戦を始める。

彼は、ストールを最も得意とするが、剣、猫、羽、時計、ブルマ、コンボなど、独自のコンセプトを持ったあらゆるデッキを作り出す達人。

今日の、彼のデッキは何だろう?

美汐は、彼の使ったデッキを予想するのが、ここ数ヶ月の習慣になっていた。

そして、香里の相手は、「森大輔」さん。色白で角刈りの、目の細い男性。

剣スートバトルの使い手で、おそらく剣使いでは全国最強の一人ではないかという人。

この、突進系の剣は……同タイプのデッキでは勝てる気がしない。

そう思わせるほど、剣スートでの殴り方が「怖い」。

今日、香里が持ってきたデッキは、剣スート単色。

(嫌な相手にあたっちゃったわね……)

香里は、デッキの選択を間違えたかと思い、少しだけ後悔した。

そして、2人とも負け、2回戦へ。

美汐があたったのは「菅野たくみ」さん。

一見理知的な印象を受ける彼も、一言しゃべれば『うぐぅ』『あぅ~』を使いこなす、ただの変態。

彼は……この前まで、香里先輩と同型の剣を使っていた。

今日もやっぱり、剣でしょうか?

美汐が考えるのは、やはり相手のデッキタイプ。

そして、最初の美汐のバトルフェイズ。

端を殴ってみると、そこは……チアリーダー香里だった。

香里は、目の前の相手と互角の戦いを繰り広げながら、一回戦に勝った組を見ていた。

先程対戦した森大輔の他にも、よしひろ、Flux、K-5、TAK・TAK、DAN、アンディ、葵、沙京 ……日本最強の地域のひとつと呼ぶにふさわしいメンツが、揃っている。

負けた方を見ても、NoRi、オジャ郎、美汐、セイクリッド=デスなど、決して弱いメンツではない。

さらに、休日になればこのレベルの人間がまだまだたくさん出てくる。

東京のこの地域で勝負できる、幸せ。

香里は、それをかみしめながら、次の一手を指す……!

今日の結果は、香里、美汐共に1勝2敗。

そして、簡単な表彰が終わり、みんなで連れ添ってマクドナルドへ。

マクドナルドで夕食を取りながら、雑談をして盛り上がる。

閉店したら、外に出てもう少し雑談。

ほとんどの人は、終電間際の電車を選んで解散。

ごく一部の人は、そのまま秋葉原のジョナサンで、徹夜のカードゲーム。

「美汐ちゃん、そろそろ帰りましょ」

そう言って駅へ一歩踏み出す香里を、美汐が止める。

「えっと……今日は、あっちとご一緒したいお話が」

「分かったわよ、ついていけばいいんでしょ。どうせ明日は休みだしね」

そうして、いつもの徹夜のメンツに、香里と美汐が加わった。

「で、みなさまに、折り入ってお願いがあるのですが……」

ジョナサンの、いつものドリンクバーを全員分汲み終え、美汐が話を切り出す。

各自、それぞれ好きなように落ち着こうとしていた行動を中止し、美汐の声に意識を傾ける。

「まずは、この紙を見てください」

美汐が、それぞれの人間に一枚の紙を渡す。

用紙の内容は……沢渡から渡されたメール。

そう、3月中旬に、戦いに参加して欲しいという、あの内容である。

ちなみに、旅費と宿は、沢渡持ちらしい……豪華と考えるべきか、必死と考えるべきか。

それを見た各自の反応は、

「俺は勘弁させていただきます、実家に帰らなきゃならん」

「ボクも同じく」

「俺も大学受験の結果が気になるからやめときます」

「申し訳ない、サークルに集中したいんで」

「あんまり興味ないなぁ。行ってもいいけど、バイト休めないからなぁ」

「俺も、修論あるんでごめん」

次々と拒否する一同。

が、しかし。

「うーん、ライブRPGっぽいですよね……おもしろそう」

菅野たくみ、拒否の流れをせき止める。

「3月……あるのは3/1の大会の他は、バイトくらいですからねぇ……残りの3人はどうです?」

そう言って、この大学生は残りの、香里、よしひろ、森大輔の3人を見る。

「あたしは、返事に関わらず行かざるを得ないから。地元だしね」

香里は、すでに確定していたらしい。

「どうせ、何もないし……金もかからないし。おもしろそうだからOK」

森大輔の、前向きな返事。

「で、この地域ですよね……バイトしたいけど、行ってみたいのもあるんだよなぁ……」

最後まで返事を保留している、よしひろ。

「?よしひろさんって、塾講師だよね?」

「ええ、それがどうかしました?」

「仕事あるの?」

「……」

たくみの質問に、答えを返せないよしひろ。

「……行きます」

「はい、というわけでまことさん、鬼道衆3名、沢渡さんの御世話になりますとお伝え下さい」

「ええ、彼もきっと、心強いでしょう。 森さん、よしひろさん、たくみさん、よろしくお願いいたします」

こんな風に、東京の3名の人間が、美汐の仲間に加わった。

(森さんとよしひろさんはともかく、3月までにたくみさんをどうやって育てるか、が課題ですね……)

美汐のそんな思惑も気にせず、たくみはその話題から離れ、今日巧くプレイできなかったストールを練習するための相手を捜す。

「初めて組んだストールでちょっとやってみたいんで、誰かお相手していただけます?」

「じゃあ、やりましょうか」

たくみにとってはストールの先輩にあたる、よしひろがその相手になる。

今夜は、長い夜になりそうだ……。

つづく。

あとがき

ようやく更新(汗)

今回は、新キャラの紹介を目的とした回です。

新キャラ……要するに、秋葉原で実際にやっているメンツですが何か?(爆)

うーん、自分のことをさん付けすると、違和感がある……(汗)

ちなみに、ジョナへの参加人数ですが、普段は5~6人(このころでも10人はいなかった)ってくらいです。

そして、(書き忘れたことがなければ)舞台はKanonの街へ。

ではでは、次回をお楽しみに~。