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elder-alliance.org  >  奇跡のかけら  >  KanonTCGSS  >  その33

*この話は、Key・VisualArts「Kanon」およびティーアイ東京「Air&KanonTCG」から取材しました。 関係する会社名・商品名に限り実在しますが、その他全てフィクションです。 また、文章中に性的な描写が含まれているため、未成年の方、責任のとれない方は閲覧をおすすめいたしませんし、その行動に対し、当方はいっさい責任をとりません。 以上をふまえた上で、お楽しみいただける方は、この話をお楽しみ下さい。

第33話~Hなお仕置き・中編~

あゆが栞に連れられて、2階の空き部屋に向かった後、リビング。

「……どうしたのよ、栞とつっきーは?」

何も分からない香里がつぶやく。……ちなみに、つっきーとは、あゆのこと。彼女らは、「つっきー」「かおりん」と呼ぶ仲らしい。

「あの目は、やばいな……」

栞とあゆの状態を、薄々と分かりかけている、祐一。

「どうしてよ……」

「あの、通称『小悪魔栞』モードに入った栞は、誰にも止められないからな……」

「相沢君も?」

「ああ……人前でこんなこと言うのも何だが」

「?」

「初めて栞と寝てから一ヶ月くらい経つが……一度たりとも、主導権を握ったことはない」

「……」

「いつも、リードされっぱなしで、気がついたら終わってるような感じだからな」

「で、それがなんで小悪魔なの?」

「そのときの表情が、小悪魔というにふさわしい、何かたくらんでそうな表情だからだ。

……ちなみに、そのモードの栞に、その目的のためだけに呼び出されたこともある」

「……なるほどね、『強制召喚』」

「そう言うこと。とりあえず、あゆは今頃、手込めにされているに違いない」

「てごめ?」

祐一と香里の会話を聞いていた名雪が聞き返す。

「はい」

そう言って、香里がノートパソコンの、辞書のページを名雪に見せる。

そこには、

てごめ【手込め・手籠め】

1)女性を暴力で犯すこと。強姦。「―にする」

2)人を力ずくで押さえ付けたりして自由を奪うこと。手込み。「三人かかつて弥次郎を―にする/滑稽本・膝栗毛 4」

とあった。

「……美凪シナリオだったわよね」

香里が、ぼそっとつぶやく。

「ああ……」

祐一が、引き気味に相づちを打つ。

「ほっといて。あたしの男友達、こんなんばっかだから」

「ご愁傷様」

……そんな会話をしていると、名雪が秋子のもとへ行き、問題発言をした。

「……お母さん、香里、手込めにしていい?」

「……了承」

しかも、それを一秒で了承する秋子。

「のーむさん、了承しないでください……」

とりあえずつっこむ香里に、秋子はとんでもない返事を返した。

「大丈夫よ……そのうち気持ちよくなるから」

その言葉に、何かに気がつく祐一。

「秋子さん……もしかして」

「はい?」

「今日の料理……何か仕込みました?」

祐一の疑問に、秋子はさらっと答える。

「そんなことないですよ、名雪にベッドテクニックは仕込みましたが」

「……何仕込んでるんですか……」

祐一が閉口する。

その間にも、名雪は香里のもとに近づいていく。

……香里が見た名雪の目は、先程の栞と全く同じ目をしていた。

「相沢君、や~っておしまい」

香里が、祐一に命令する。

「そのネタ旧い」

「ほっといてよ」

「まあいい。だが……あのモードじゃあ無理だろ……」

名雪のこのモード……通常ならば対象が猫なので『アレルギー』で止まるが、今回は……対象は、人である。

「そうね……それじゃあ、仕方ないから眠ってもらいましょうか……」

香里が椅子を立ち、拳を固める。

世の中のSSではメリケンサックが主流だが、そんなものはいらない。

なぜなら……香里の武術は、キックが主体だからである。

もっとも、今はスカートをはいているため多少動きづらいが、それで後れをとるほどの拮抗した実力差の訳がなく。

つまり……香里の攻撃を一度食らっただけで、名雪は、まずノックダウンするだろう。

「……あらあら、香里ちゃん、暴力はいけませんよ……」

「のーむさん、性暴力だって立派な暴力です……」

そんな会話をしつつ、香里は名雪から間を取り、後ろに下がる。

そして……隙を見て、ミドルキックを一撃。

その打撃を、名雪は受け流す。

……が、そこに香里の2段目。後ろ回し蹴りが飛んでくる。

名雪は、思いがけない速さでしゃがみ込む。

「かかったわね!」

香里は、蹴り足を軸足に変えて、3段目……サッカーのシュートに似た蹴りを放つ。

その蹴りは、名雪の顎にヒットし、名雪がそのまま倒れる。

「ふぅ……」

一息つく香里。そして、秋子の方をちらっと見ると、

「相沢君。とりあえず、外にでましょう」

と、祐一に言った。

祐一は無言で立ち上がると、香里に目で合図を送り、玄関へ向かう。

そして、香里も祐一の後を追って、玄関へと足を向けた。

「……秋子さんのどの料理に、毒が入ってたか、だろ?」

玄関先。祐一が、香里に言う。

「よく分かったわね……相沢君は、何ともない?」

「ああ、俺だけは。どうやら、女性だけに効果がある媚薬が入ってたみたいだが……」

「たぶんね」

「香里は……大丈夫なのか?」

「そうでもないわよ」

そう言う香里の様子を、少しだけ眺める。

息づかいは普段より若干深くなり、顔がかなり赤くなってる。

……が、口調も、表情も、普段と全く変わらない。

「……さすが、ポーカーフェイスの女。

さて、問題は、なぜ秋子さんに効かなかったか、だが……」

「のーむさんが、手を付けなかった食べ物があるか……

それとも、のーむさんだけが、解毒剤を持っていたか」

そう言われて、祐一は宴を思い出す。

あの場では……全員、全ての料理に手を付けていた。

ただし、あのオレンジ色のジャムに手を付けていたのは、ただひとり。

秋子が、錠剤のようなものを持ち歩いていた形跡は、全くなかった。

それらから推測される結果は、ただ一つ。

「まさか……」

「相沢君……何か分かった?」

「まさかとは思うが……あのジャムが、解毒剤の可能性がある……」

「……まさに、良薬口に苦し、ね」

……苦笑い。

「とりあえず……あのジャム、食べてくるわ……」

「……待て」

香里の決意を、祐一が止める。

「どうしたのよ……」

「秋子さん、確か……あのジャム、食べきってなかったか?」

祐一の口から告げられる、衝撃の事実。

「嘘……」

「まあ、予備があるかも知れないけどな」

「そうあることを祈るわ……」

そして、2人は家の中へ戻っていった。

「……秋子さん、あのオレンジ色のジャムってあります?」

祐一が、リビングでマッタリしている秋子に訊ねる。

「どうしたんですか、急に」

「香里の、東京の友人たちへのおみやげにしようかと、話してたところなんですよ」

「そうね……でも、残念ながら、今はちょうど切れちゃってまして。

東京の住所は分かるから、できたらそっちに郵送しますね」

「……ええ、そうしてあげて下さい」

そう答える祐一のそばで、香里の表情が絶望の色に染まる。

自分の心が暗いところへ落ちていくのと反対に、体の芯がどんどん熱くなっていく。

心は黒いところへ、そして、感覚は白いところへと、動いていく。

香里のその目は、今までの理性の光を失い、先程のあゆのものと、全く同じになっていた。

その後ろには、先程のモードのまま、気絶から回復した名雪がいた。

「香里……さっき、見えちゃったんだ……香里のあそこ、濡れてたよ。

下着の上からはっきりわかるくらいね」

名雪が、そう言って香里に迫る。

「……嫌……!

初めては、あの人に、捧げるって決めてるの……!!」

「香里、そんなこと言っても無駄だよ……」

香里の言葉の届かない、名雪の魔の手が、香里に延びる。

ぱしっ!

それをはねのけたのは……祐一の手だった。

「名雪、どうしたんだよ……」

祐一が、名雪と香里の間にたつ。

「名雪、おまえは、そんなやつじゃなかったはずだ……

自分の都合で人を傷つけるやつじゃ、なかったはずだろ……」

「……だから、栞ちゃんの恋人、祐一には手を出さない。

お母さんに手を出せるはずないから…残るはひとり。

だから……止めないでね、祐一」

「だったら、上の2人に混ざってくればいいだろ……もしくは、ひとりでやってるか」

「そんな程度じゃ、このうずきは収まらないよ……」

「そんなことは、俺や香里の知ったことじゃない」

強くでる祐一。

しかし。そのとき。

祐一の首筋に、女性のきめ細やかな肌が触れる。

……少ない接触面積に対し、かなりの運動エネルギーを持って。

びしっ!

そんな音がした。

祐一は、きめ細やかな肌の持ち主である女性の顔を見る。

水瀬秋子。

祐一の意識は、彼女の、その攻撃によって完全に絶たれた。

「……さ、名雪」

秋子が、名雪の次の行動を促す。そして、その合図をもとに、香里にゆっくりと襲いかかる名雪。

……たったひとりでその行動にあらがうには、あまりにも、今の香里は非力すぎた……。

つづく。

あとがき

ストーリーチェイン「Hなお仕置き」・中編、いかがだったでしょうか?

このテキスト(あとがきを含む)は、実は第32話より前に書かれています。

だって……32話のHシーン、本当に筆が進まないんだ……!

実生活が忙しいと言うよりも、ネタがないというよりも、それよりも……!

こういうシーンを表現する方が、何千倍も難しい!

よく、「Hシーンだけ主人公の性格が違う」ゲームというものがありますが、テキストの書きやすさ考えると、それも当然かと、つい納得してしまいました。

前回の栞、今回の名雪を見れば、それも一目瞭然でしょう。

ですから、変な薬で理由付けしたり……ほんと、苦しいです。

まあ、それを手際よくかけるのがプロ、なんでしょうけどね……

……Hなお仕置き、まだ続きます(爆)。

次は誰にしようか……全く決めてません。

といってもターゲットは限られてますが(笑)。

それでは、次回をお楽しみに。

参照サイト

goo「便利ツール・国語辞典」

「てごめ」……大辞林第二版より引用です。