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elder-alliance.org  >  奇跡のかけら  >  KanonTCGSS  >  その30

*この話は、Key・VisualArts「Kanon」およびティーアイ東京「Air&KanonTCG」から取材しました。 関係する会社名・商品名に限り実在しますが、その他全てフィクションです。 以上をふまえた上で、この話をお楽しみ下さい。

第30話~佳乃の夏祭り・後編~

決勝卓、第2ゲーム。第1ゲームは、先攻1ターンキル。

……勝負がつくまで、ほんの10分。

そして、美汐だけがスペアカードを投入した。

「それでは、次はこちらが先攻をいただきます」

そして、佐祐理、美汐共に7枚ドロー。佐祐理は3枚スタック、美汐は2枚スタック。

美汐の手札には、「Yシャツ美凪」「夜」「着物佳乃」「夢へのいざない」「お色直し」

美汐の2ドローは、「フライングポテト」「星の砂」。

そして、そのまま「フライングポテト」を打つ。

フィールドに現れたのは「サリーあゆ」。……これが、神のドローか。

「それでは、このまま『ヌリッタ』です」

「ふえぇ……」

第1ゲームで分かっている。相手に、自分を邪魔するカードは存在しない。

さらに、「フライングポテト」を打つ。「メイド服真琴」が場に出る。

「『夢へのいざない』を2回打ちます」

そう言って、美汐は自分の手札の「夢へのいざない」をゲームから取り除く。

「えっと……」

「宣言の省略はいけませんか? でしたら、正しく宣言し直しますが」

「あ、分かってるなら大丈夫ですよー」

「はい。それでは、どちらの宣言にも対応がないので、まとめて2ドローをいただきます」

美汐が、カードを2枚引く。「巫女美凪」と「身代わり」。そのうち1枚を見せて、

「『身代わり』2回使用してもよろしいでしょうか?」

「はい、どうぞ」

「巫女美凪」「女神みちる」を手札に持ってくる。

「それでは、『お色直し』を2回。どちらも、バイバックコストは支払いません」

「バイバック……?」

「あ、ごめんなさい。手札に戻すコストのことです」

「はい。では、2回とも通します」

手札の「巫女美凪」2枚を捨てる。フィールドに、「メイド服真琴」「ウェイトレスみちる」がスタックされ、「残念賞進呈」が捨て札に落ちる。

「では、『残念賞進呈』。対象は、『巫女美凪』です」

そして、3枚目の「巫女美凪」が手札に加わる。

「……ここで、カードセットフェイズに入ります」

カードを3枚、スタックする。「女神みちる」「星の砂」……そして、「巫女美凪」。

「第1ペイコストフェイズです。2枚の『女神みちる』を表向けます。

『ケレス』をまず1回、使用します」

「誘導」が捨て札に落ち、「看護婦美凪」「着物美凪」が出る。

「それでは、『巫女美凪』を表向けます。

そのまま、それをコストに『星の砂』。

『星の砂』を破棄して、デッキの一番上に『着物佳乃』を持ってきます」

美汐が、一息つく。佐祐理は、その様子を、無表情に見つめる。

「『ウェイトレスみちる』の『お品書き』。手札を公開して、『Yシャツ美凪』をスタックします」

美汐のソロプレイは続く。

「では、2回目の『ケレス』です」

先程「星の砂」で引っ張ってきた「着物佳乃」がフィールドに出る。

そして、「残念賞進呈」「お色直し」「ファッションショー」「星の砂」が捨て札に落ち、「ウェイトレスみちる」がフィールドへ。

「『残念賞進呈』対象は『星の砂』。対応して『ファッションショー』。コストは『ウェイトレスみちる』」

ショートパンツ栞と、ウェディングドレス秋子が場に出る。

捨て札に置かれた「残念賞進呈」「ジハド」「夢へのいざない」も、手札に引いた「レントゲン写真」も、すでに無意味である。

佐祐理に「エンジェルアロー」はない。それを見越して、

「『お品書き』。『着物佳乃』がフィールドに出ます。

『巫女美凪』に与えられた『点滴』『寝ぼけ眼』が発動します。

その後で……」

「そこで、佐祐理は投了です」

……もはや、美汐のデッキを確かめることができないと確信した佐祐理の判断。

それは、「着物佳乃」のコンボと戦ったことがある証。

……ならば?

ゲームが始まってから30分。

美汐は、スペアから、更に2枚のカードをチェンジする。

……どうやら、佐祐理の方は、スペアを持っていないようだ。

第3ゲームが……始まる。

互いに、7枚のカードを引く。

そして、佐祐理は3枚、美汐は1枚のカードをセットする。

「それでは、ゲームを始めますねーっ。イニシャル2ドローっ」

「それに対応して『身代わり』です。」

美汐が、『着物美凪』を引いてくる。

「それでは、スタックフェイズに入りますねーっ」

「すみません、ドローフェイズ中に、『煌く閃光』です」

今引いてきた『着物美凪』と手札にあった『着物佳乃』から打ったイベント。

「対応がなければ、処理しますが……」

「ふぇぇ……どうぞ」

「それでは、ルールサマリーの規定によって、私のフィールドから順番にカードを表向きにします。 ……まずは、『レントゲン写真』。キャラクターの宣言をお願いいたします……」

「ふぇ……【舞】でお願いします」

佐祐理の、いつ泣き出してもおかしくない表情。

「それでは、そちらのフィールドを、一枚ずつ表向きにしてください」

「『サリーあゆ』『ウェイトレスみちる』『女神みちる』……全てレゾンデートルを満たさず、破棄されます……」

……確率、およそ10%。

8ゲーム目にして、現れた奇跡。

0ターンキル、完成。

「決勝戦が、全て1ターンキル……そんな酷なことはないでしょう……」

「舞……ごめんね……佐祐理、勝てなかった……」

……ドローフェイズが3回、カードセットフェイズ・第1ペイコストフェイズが2回ずつ、以上。

第4回戦、決勝卓で訪れたステップ数である。

「それでは、表彰の方に移りたいと思います」

美汐のあこがれの女性である、ヘッドジャッジ・川澄愛が賞品を用意する。

「3位、海原美衣さん、2位、謎ぢゃむさん、そして優勝は……まことさんです!」

その3人が、段ボールでできた表彰台にあがる。

「3人の方には、どのようなデッキで参戦したのか、お伺いしたいと思います」

そう言って、3人にインタビューを始める。

「えっと……私、海原美衣は、『サリーあゆ』を使ったコンボで参戦いたしました……当たったみなさま、大変申し訳有りません……」

「俺は……ストール単色バトルです。4回とも、トップと3位に当たりませんでした。それが勝因だと思ってます」

「私は、『着物佳乃』でした。でも、決勝戦第2ゲームは『サリーあゆ』で、最後のゲームは『レントゲン写真』でした……これからは自粛します」

「えっと……」

青ざめる川澄愛。

「気を取り直しまして、3人に、賞品の方を……こちらを、進呈いたします」

そう言って、3人に封筒を渡すヘッドジャッジ。封はしていない。

その場で、それぞれが封筒の中身を見る。

3位の賞品は、商品券500円分と、カード「佳乃の夏祭り」。

2位の賞品は、商品券1000円分と、お米券5キログラム分。

そして、1位は……商品券でも、KanonTCGのカードでもなく、一枚のチケットらしきもの。

美汐が、香里に駆け寄る。

「香里先輩……これ、もらっちゃっていいですか……?」

香里が、それを見る。

「どうせのーむさんに渡せないし、いいわよ……はい」

そう言って、香里が美汐にボールペンを渡す。

そのチケットに、○をひとつする美汐。

「香里先輩、ありがとうございました……」

ボールペンを香里に返し、美汐が表彰台に戻る。

「で、江戸川さん……こういうことで」

そう言って、店員・川澄愛に、先程のチケットを見せる。

「……え゛」

愛が、その文面を見て、青ざめる。

「そう言うわけで、江戸川さん、朝まで逃がしませんから……」

「……店長~!沢渡~!」

そう叫んで、オフィスに殴り込みを掛ける彼女。

美汐の手に残されたチケットには、

「特別優待券

チケット発行責任者:遠野

選択をした店員を、規定の時間内で好きに扱えます。

規定の時間を過ぎてしまった場合、無効です。

規定時間:このチケットが渡された直後~翌日朝6時

選択できる店員(以下の店員から、ひとりだけ丸をつけてください):

川澄愛沢渡真」

と書かれていた。

そして、○がついていたのは、「川澄愛」のほうだった……。

おしまい。

あとがき

シリーズ「佳乃の夏祭り」最終回、「佳乃の夏祭り・後編」、いかがだったでしょうか?

「佳乃の夏祭り」は、テキストがかなり長くなってしまいましたが、(「時計」「時計」コストを払いますので、)ご「了承」下さい。

……みなさまに、老婆心ながらご忠告いたします。

本編で美汐が行っていた宣言の省略ですが、相手の許可が必要です。やめましょう。

次に、本編で美汐が行っていた0ターンキルですが、2001年11/1をもってできなくなりました。

最後に、本編で佐祐理と美汐が作ったデッキですが、いやがられます。やめましょう。

ちなみに、このゲームショップは、『最大オポーネント方式』を採用しています。

要するに、『より強い人間に勝った方が有利』ということです。

理由は……計算が簡単だからです。

これで、ストーリーチェインは全部制覇しました!

……と思ったら、変なのが残ってました。

というわけで、次回は、「が、がお」。

それでは、次回をお楽しみに。