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elder-alliance.org  >  奇跡のかけら  >  KanonTCGSS  >  その27

この話は、Key・VisualArts「Kanon」およびティーアイ東京「Air&KanonTCG」から取材しました。 関係する会社名・商品名に限り実在しますが、その他全てフィクションです。 以上をふまえた上で、この話をお楽しみ下さい。

第27話~憑依~

「お姉さん、ボク、水瀬冬美!よろしくね!」

「……ようやく、第1回戦です……」

あゆと美汐、対照的な性格の2人が戦う。

1ターン目。あゆが先攻。

美汐の手札は、「着物佳乃」*2、「看護婦美凪」「身代わり」「レントゲン写真」「星の砂」「禁呪」。

その中から「レントゲン写真」「星の砂」「禁呪」を、左からこの順でフィールドにスタック。

対するあゆも、カードを3枚スタックする。

「では、カードを2枚引きます!」

カードを2枚引き、手札を3枚スタックする。

「それでは、バトル!ここからここだよっ!」

あゆのロケーションは「ふだん着神奈」。それに対して、美汐は「星の砂」。

「……星の砂をサクリファイス。カードを2枚ドローします……

自分でレスポンス。『身代わり』を使います……」

「身代わり」から、「Yシャツ美凪」を引いてくる。

そして、星の砂を捨て札にして、引いたカードは「栞の常備薬セット」「レントゲン写真」。

バトルは立ち消えになる。

「ではこちらのターンです……3ドロー」

「ウェイトレスみちる」「ウェディングドレス秋子」「看護婦観鈴」を引き、 「レントゲン写真」の後ろに「ウェイトレスみちる」「看護婦美凪」「ウェディングドレス秋子」の順番でスタック。

「……ターン終了です」

「エンドフェイズに、『記憶の伝承』! ストーリーチェインに入るよっ!」

「……少し待って下さい。ジャッジ!」

「はい、どうしました?」

以前、美汐とM:tGで対戦したことのある青年が、この大会のサブジャッジ。彼が駆け寄ってくる。

「ストーリーチェイン後のイベントカードですが……」

「はい、この大会では、使ったカードは脇に残してください。

……前回とルールが違って、すみません……」

「前回がどうだか知らないですけど……ありがとうございます。あ、水瀬さん、どうぞ」

「次のボクのターン、『偽装』の対象が『ふだん着神奈』、スートは『恐竜orバンダナorお米券orシャボン玉or翼』だよっ!」

そう言って、あゆは「一瞬の煌めき」を脇に置く。

「……『偽装』のストーリーチェインボーナスで、カードを1枚引いて、

さらに、ドローフェイズで3枚カードを引いて……このままターン終了!」

この一言が、美汐を楽にした。

「次のターン、3ドロー……スタックが3枚」

手札を無視して、真ん中の空っぽのラインに「看護婦観鈴」「着物佳乃」、裏向きの「禁呪」の後ろに、「Yシャツ美凪」をスタックする。

「……ウェイトレスみちるから1コスト、『禁呪』を表向けます」

「……?」

「それでは、ウェディングドレス秋子、看護婦観鈴、Yシャツ美凪、看護婦美凪を表向けます。

……何もありませんね?」

「……どうせ『禁呪』が表向きだから、どんどん進めちゃってください……」

……あゆは気がついていただろうか?

看護婦観鈴、看護婦美凪、Yシャツ美凪の3枚の「縁」が、ただ1枚のカードに向けられていたことを……

「それでは、看護婦観鈴の後ろのカード、『着物佳乃』を表向けます。 特殊能力『お年玉』で、デッキから『着物佳乃』を引いてきます」

そう言って、デッキにあった「着物佳乃」を、「着物佳乃」の後ろにスタックする。

「『点滴』『寝ぼけ眼』を処理します」

「えっと……デッキの一番下のカードを破棄するんだよね」

美汐の宣言を、あゆが確認する。

「いえ、一番上をリムーブです。……その後、着物佳乃をサクリファイス、『祝福』です」

今、「点滴」「寝ぼけ眼」を使った「着物佳乃」が捨て札置き場の一番上に置かれる。

「それでは、もう一度『点滴』『寝ぼけ眼』を処理します。終わりましたら、『滅菌消毒』です。

……よろしいでしょうか?」

「はい……」

あゆは、まだ分かっていないらしい。

「それでは、今裏向きになった『着物佳乃』を表向きにして『お年玉』です」

「?」

また、「着物佳乃」が2枚並ぶ。

「それでは、着物佳乃をサクリファイス、『祝福』です」

「……」

あゆは、その様子をじっと見ている。

「後は、『点滴』『寝ぼけ眼』『滅菌消毒』『お年玉』『祝福』がループになります。宣言を省略してもよろしいでしょうか?」

「……ごめんなさい、ボクがいいって言うまで、続けてください……」

「分かりました。それでは……」

……それから、およそ20分。一回一回、ゆっくり宣言する美汐と、それをじっと見つめるあゆ。

デッキが半分も削れたであろうか、あゆが声を出す。

「うぐぅ……投了させてください……」

「はい、それではスペアカードと入れ替えですね……」

美汐は、自分のスペアカードに手を付ける。

(……デッキのチェックを忘れてしまいました……第2ゲームは、捨てた方がいいでしょうか……)

美汐がスペアカードとにらめっこをしているとき、香里が現れた。

「あ、香里先輩。どうしました?」

「いや、暇だから様子でも見に来ようかと思ったんだけど……」

「……暇?」

美汐の表情が曇る。

「どうしたんですか?」

「……負けただけよ、2回とも1キル」

「……え?」

「やっぱりいいわ、とりあえず目の前の試合に集中して」

「はい……」

第2ゲーム。

……これも、第1ゲームと同じような展開だったので省略。

ただし、あゆのストーリーチェインが『銀羽の輝き』まで行くところで『夢への誘い』で止められた、 すなわち美汐のコンボ起動が若干遅かったのと、あゆから美汐へ1点のコインが移動したことは付け加えておこう。

終わってみれば、美汐が圧勝。

「……もっと、改善の余地がありそうな気がします……」

自分のデッキを見てつぶやく美汐。

「うぐぅ……何にもできなかったよぉ……」

涙目でつぶやくあゆは、確かに、犬の耳を付けるとものすごく似合いそうなくらい、負け犬だった。

「2回戦もいただいたことだし、この調子で3回戦もいただくとしますか!」

「はい!頑張りましょうね、祐一さん、美汐ちゃん!」

「そうですね……」

表情の軽い3人。それと対照的に、ひとり殺気立った気配を見せている者がいる。

「……そううまくはいかないわよ」

美坂香里。ひとりだけ、2回戦敗退の女。

「優勝者は、海原美衣。あたしが負けた以上、それは絶対に揺るがないわ」

その目に後悔の色を浮かべて、その表情でめいっぱいの悔しさを表現し、美坂香里はつぶやいた。

つづく。

あとがき

シリーズ「佳乃の夏祭り」第2回「憑依」、いかがだったでしょうか?

……どうしちゃったんでしょう、香里は?

いつも優勝戦線まで残る、あのクール・ビューティーが、2回戦敗退!

そうです、そうなんです、あの、恐怖のあのデッキが、いるんです!<しつこい

それは、どんなデッキなのか!その強さとはいったい!?

……分かってはいるでしょうが、とりあえずネタばれは何も言わないでやってください。

それでは、次回をお楽しみに。

2003.7/8 エラッタ訂正(Yシャツ美凪の特殊能力に関係する事項)