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elder-alliance.org  >  奇跡のかけら  >  KanonTCGSS  >  その18

この話は、Key・VisualArts「Kanon」およびティーアイ東京「Air&KanonTCG」から取材しました。 関係する会社名・商品名に限り実在しますが、その他全てフィクションです。 以上をふまえた上で、この話をお楽しみ下さい。

第18話~夢への誘い~

夢。

夢を見ている。

自分のフィールドにはたくさんの「名雪」。

相手のフィールドにはたくさんの「香里」。

自分のフィールドのカードが一枚なくなるたびに、自分の勝利ポイントがひとつ増え、相手のフィールドが削られる。

自分の捨て札にはたくさんのイベント。

相手の捨て札にはたくさんの「香里」。

そして、最後には……

勝利ポイント置き場に、7枚目の、「名雪」。

「ふふっ……これで、祐一さんに勝てます」

デッキを完成させた栞が、夢の中でつぶやく。

しかし、彼女は気がつかない。

「パイレーツ香里」「看護婦香里」が、それでも名雪に素手で勝てることを。

そして、

ストール単は、決してsense単色ではないことを。

そして、そのころ。

大学のレポートを何とか終わらせた祐一はつぶやく。

「……栞、怒ってたよな……言い過ぎた……」

眠い目をこすり、自分のデッキを眺める。

自分のデッキの『奇跡の生還』を見つめて、先程の自分の言動を反省する。

『デッキ的再会』……栞の一番好きなカード『奇跡的再会』をまるで否定したような言い方。

いくら大会公式ガイドラインが正しいからと言っても、そんな言い方をされたのでは、栞が怒るのも当然だ。

さらに、怒った栞が可愛いからと言って、さらに挑発してしまったのだからたちが悪い。

何で、そのことに俺は気がつかなかったんだろう……祐一は、午前2時を指す時計に気づかず、自らを責め立てる。

ふと顔を上げると、時計がとんでもない時間を指していた。

「……寝るか」

祐一は、家からほど近い距離にある大学の2コマ目の講義に間に合うように、目覚まし時計のタイマーをセットした。

夢。

夢を見ている。

この街に帰ってきたとき。

違和感。

知っているはずなのに、記憶がない。

体で覚えてるはずの街並みを、全く歩けない。

以前に出会い、遊んでいるはずの少女にも、今、初めて出会う少女にも、全く同じだけの記憶しか持っていない。

自分の知識と記憶、行動が一致しない。

知ってるはずなのに、知らない。

もしかして、これは……記憶喪失?

「……あれ?」

祐一は、悪夢から逃げるように、目を覚ました。

時間は朝6時。

4時間ほどしか寝ていない。

しかし、祐一は寝直すだけの勇気は残っていなかった。

「……記憶喪失……」

自分が、夢から覚める直前に思った言葉。

その意味を、覚えているわけではない。

「なんだろう……とりあえず、デッキに入れてみるか」

全く意味を勘違いして、AirTCGのカードのことと解釈する祐一。

このカードの持つ意味と、その効果を、寝ぼけ眼の祐一が、知るはずはなかった。

つづく。

あとがき

新シリーズ、「2人のゴール」第2回、「夢への誘い」、いかがだったでしょうか?

”このシリーズは、前回のシリーズと違って、ルールの疑問・解釈全開でお届けしたいと思っていますが、果たして私の灰色の脳細胞が追いつくかどうか(笑)” と前回書きましたが、やっぱり追いついていないようで、今回はこの手の話はでてきません。

面倒だったから……ではなく、うまく組み込めるルール解釈が見あたらなかったから、ですが。

次回は、「観鈴の夏祭り」。

ストーリーの中では6月のこの時期、どうやって夏祭りをやるのか?それとも、ただのつなぎのお話か?

……今回も、やっぱり、まだ決めてません。(w

それでは、次回をお楽しみに。