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elder-alliance.org  >  奇跡のかけら  >  KanonTCGSS  >  その2

この話は、ティーアイ東京「KanonTCG」のβ版及びKey/VisualArts「Kanon」から取材しました。 商品名に限り実在しますが、その他全てフィクションです。 また、「Kanon」および「KanonTCG」のねたばれが一部あります。 以上をふまえた上で、この話をお楽しみ下さい。

第2話~ミラクルメーカー~

KanonTCGのβ版を手に入れた俺たち3人は、地元に帰ってきた(北川は、何か用事があるらしく、数日間東京にとどまると言っていたので置いてきた)。

「じゃあ、パックを開けてみようよ」

名雪が、β版パックに手をかけようとしている。

「待て。手は洗ったか?スリーブは用意したか?」

俺は、それをいったん制止し、カードの清潔さを保てるような指導をする。

「……じゃあ、見てみましょ」

準備万端整ったところで、香里のこの一言。それを皮切りに、カードをスリーブに入れる作業が始まった。

そして、1時間も過ぎようとしたとき。

「ようやく終わったよ~」

名雪は、この作業を終えただけで、もう疲れ切った様子だ。

「え?もう終わったの? 早い!」

香里は、まだ10枚以上残っている。

かくいう俺は、30分も前に終わっている。これでも遅いほうだと思う。

よっぽど、名雪&香里が、カードに慣れていないかが分かる。

……こんな初心者が、こんなきわものTCGをやっていいのか?

気を取り直して、カードを一枚ずつ見ていく。

俺は、すでに番号順に並べ終わっている。

まずは、普段着名雪・ブルマ名雪。

「まあ、ふつうかな……」

俺は、名雪をちらりと見て言う。

「確かに、名雪ってこんな感じよね」

「うん……。なんか、自分が描かれてるって、恥ずかしいよ」

名雪が、照れながら言う。

「みんな、かわいく描いてあるから、うれしいけど……」

次に、学生服名雪。

「で……これのどこが学生服?」

「さあ……。ただの和服よね」

「私、こんな服、着たことないよ」

このカードは、けっこう不評みたいだ。

Yシャツ名雪。

「裸Y、か……」

「裸Y、ね……」

俺と香里がいっせいに名雪に視線を浴びせる。

「な……何?私、こんな格好したことないよ?」

名雪が、あわてて弁解(?)する。

「そんなこと言って、本当はどうなの?」

香里が、名雪いじめに入った。

以下、名雪があたふたして、そこに香里がつっこむパターンが続くが省略。

こんな感じで、とびとびの番号でカードを見ていく。

そして、それはあった。

ナンバー132、噴水のある公園。

「……これは……」

「……栞が、帰ってくるきっかけになった場所……」

「……ああ、あれを、奇跡って言うんだなって、今になって思うよ」

去年、栞が恋人とは何かを知った場所。雪の綺麗さを、肌で感じた場所。そして、死の淵を見た場所。

栞が、あの体力で、死の淵から帰ってくることが出来たのは、まさに奇跡と言うしかない。医者に言わせてもそうなのだから。

あれ以来、俺と栞は恋人としてつきあっている(とは言っても、性的関係を結んだとか、そう言うことはまだ一度もない)。

今にして思えば、栞と、公園への並木道で出会ったことが、最大の奇跡かもしれない。

「???」

名雪だけが、話についてきてない。やっぱり、俺と栞だけの秘密だからな……。(ここで、「なぜ香里が知ってるのか?」とは考えてはいけない気がする……)

「奇跡が、起きた場所……」

「……ハッピーエンド、ね……」

そのとき、名雪が一言。

「奇跡が起きる、ハッピーエンドって、このゲームの勝利条件みたいだね」

そうか……。

「きっと、俺は、奇跡を探して、このゲームを始めたんだ……」

「だったら、私達プレイヤーは、さしずめミラクルメーカーってところかしら」

「ミラクルメーカー……それ、格好いいね!」

ミラクルメーカー。

俺たち、KanonTCGプレイヤーの名前。

こうして、俺たちのKanonTCGライフが始まった!

おしまい。