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elder-alliance.org  >  奇跡のかけら  >  KanonTCGSS  >  その1

この話は、5月28日に発売された、KanonTCGのβ版発売から取材しました。 地名、企業名、商品名に限り実在しますが、その他全てフィクションです。 ジョークのたぐいですので、あまり深く考えないでください。 また、不快感を覚える、まねする変な人がいるなど、あらゆる事態に対し、 当方は責任を負わないものとします。 以上をふまえた上で、この話をお楽しみ下さい。

第1話~奇跡~

「ねえ、祐一」

名雪が、つまらなさそうに俺に話しかける。

「何で、私達、こんなところに並んでるの?」

そう言って、名雪は辺りを見回す。

「どこにも、奇跡も奇跡のかけらもないよ~」

「相沢君、何か隠してるわね」

香里がそう言ったところで状況説明。

現在、2000年5月28日午前7時30分。

俺たちは、昨日、東京に出てきた。

KanonTCGを求めに。

とりあえず、旧知の仲である名雪と香里、北川に話を持ちかけてみた。

北川には、ストレートに話した。そうしたら、乗り気で、

「俺も行く!」

と力強い返事をもらった。

香里には、北川から伝えてもらった。

名雪には、俺自身の口からこういった。

「これから、奇跡のかけらを手に入れようと思うんだけど、一緒に行ってくれるか?」

その問いに、名雪はこう答えた。

「……祐一にとって、大切なものなんだよね。だったら、一緒に行ってあげるよ」

というわけで、名雪もゲット。俺たちは4人で東京に出てきた。

池袋のカラオケで一晩泊まって(寝たい人は寝て、歌いたい人は歌って)、

現在、池袋サンシャインで、ティーアイ東京の行列に並んでいる。

……というのが今までのお話。

「……あと3時間もしないうちに分かる」

名雪と香里の不平に、素っ気なく答えたのは北川。

「そんな。ちゃんと教えてよ、祐一~」

「白状しなさいよ、相沢君!」

女性陣からわき起こる、更なる不満の声。

そこで機転を効かせてくれたのが、これもやはり北川。

「相沢。大会も近いことだし、リーフファイトでもどうだ?」

「上等。俺の、大会優勝をねらうルミラ速攻デッキの強さを見せてやるぜ!」

こうして、俺たちは女性陣の不満の声を背に、リーフファイトTCGに夢中になるのだった。

しばらく後。

「KanonTCGは、一人2パックになりま~す」

スタッフの声。あたりからどよめきが起きる。しかし、列からはずれようとする人は誰一人としていない。

みんな、これが目的で並んでいるのだ。

そして、整理券が配られ、列が動き始める。

動いた列が、建物に吸い込まれる。

建物を貫く列が、ある1点でとぎれる。

そのとぎれる境目に、俺たちはもうすぐ到達する。

「くー」

そんなところでも、名雪は寝ていた。しかも、行列に並びながら。

「この子、こんな特技もあったのね……」

それを、香里があきれながら見ていた。

「KanonTCGは、1パック1000円で~す」

スタッフの声が響き渡る。その声が聞こえた瞬間、俺は名雪と香里に2000円を手渡していた。

「……あそこで、これと整理券を渡して、受け取るものを受け取ってくれ」

俺は、彼女たちにそう言った。

「え?分からないよ、祐一……」

「なるほど、それが目的ね。数量限定のバーゲンセールみたいなものね」

ここで、さえない名雪と頭のいい香里の差が出た。

そして、下敷き状のルールブックとβ版2パックを手にした俺たち3人は、列から少し離れたところで、一休みしていた。

満足げな俺と、いらついている名雪。そして、何かたくらんでいそうな香里。

そして、思い詰めたような表情で、名雪が口を開く。

「祐一、奇跡はどうしたの?奇跡のかけらを探してるっていうから、ついてきたんだよ……」

それに対し、香里は俺と名雪を不敵な表情で見ているだけ。

「香里も、祐一に何か言ってよ……」

そう言う名雪に、香里は至極当然のように、言い放った。

「この下敷きに書いてあるわよ。『ゲームを始める前に1.60枚以上のカードで構成された「奇跡」を用意します。』」

「えっ?」

名雪が一瞬、呆然となる。

「奇跡って、もしかしてこのゲームのデッキのこと?」

「そうね」

香里が肯定する。

「ということは……奇跡のかけらって、このカードのこと!?」

こくり。俺は黙って頷く。

そして。

「……また、祐一にだまされた~!!」

カードゲームフェスタの会場に、名雪の声が響き渡った。

おしまい。

おまけ1

名雪が呆然としているあいだに、香里が俺に話しかけてきた。

「相沢君、これ、返しておくわ」

香里が、俺に2000円を渡す。

「後で、名雪からも受け取っておきなさいよ」

「へ?」

「私も、このTCGを始めることにしたわ。名雪にも始めさせるから」

と、いうことは……?

「そう、相沢君の『奇跡のかけら』は、その2パックだけよ」

ああ、俺のカードが……。

でも、プレイヤーが多いっていうことは、それだけ喜ばしいことなのかな……。

おまけ2

それから、しばらくの後。

「そういえば、北川君、どうしたの?」

名雪が、もっともらしい疑問を口にする。

そのころ、ブースの出口付近では。

【KanonTCG、1パック2000円で買います】

この紙を持った人間に、北川が話しかける。

「……お兄さん、1パック1万円でどう?この2パックだけだからさ。」

「高いな……でも、買った!」

「毎度あり、2万円ね」

おたくたちの過剰な欲望をうまく利用して、きっちり儲けた北川君なのでした。

でも、良い子はまねしちゃだめですよ。

こんどこそおしまい。