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elder-alliance.org  >  奇跡のかけら  >  かおりんのバースデイ・パーティ♪

この話は、Key/VisualArts「Kanon」から取材しました。 「Kanon」のねたばれが一部あります。 以上をふまえた上で、この話をお楽しみ下さい。

かおりんのバースデイ・パーティ♪

……2月も、今日で終わり。

期末試験も終わり、あとは優雅に過ごすだけのこの時期。

一人の少女が……窓ガラスに向かって、ため息をついていた。

窓ガラス……正確に言えば、窓ガラスを通して見える、中庭に向かって。

「栞……なんで、あなたが死ななくちゃいけないのよ……」

その少女は、目を絶望の色に染めて、つぶやく。

「あたしが、かまってあげなかったから?それとも、あたしの何か一言に、傷ついた?それとも……」

そうやってつぶやく少女は、端から見ても正気には見えない。

「ねえ……栞……答えてよ……」

……こんな台詞を、ずっとくり返している。

朝、学校に来てから、今までの4時間、ずっと。

2月が始まってから、今日まで……ずっと。

休み時間。

「香里~、明日、暇?」

こんな状態の少女でも、話しかけてくれる人間はいるらしい。

「別に、予定はないけど……」

「じゃあ、放課後、うちに来て」

「……どうしたの?」

「明日は3月1日、香里の誕生日だよ♪」

「……いい、そんな気分じゃないわ」

「そう……何があったかは分からないけど、ずっと落ち込んでるのもよくないよ……」

「……放っといて」

「うん……また、何かあったら連絡するね」

「お願いするわ」

こうやって、少女は親友の気遣いもはねつける。

そして、

「ねえ……栞……」

また、さっきのループに戻る。

次の休み時間。

「香里~、明日、暇か?」

今度は、男性。彼女には友人が多いらしい……現状を見ていると、とてもそうは思えないが。

「別に、予定はないけど……」

「じゃあ、放課後、うちに来いよ」

「……どうしたの?」

「明日は3月1日、香里の誕生日だろ♪」

「……いい、そんな気分じゃないわ」

「そうか……でも、そんな状態の香里を空の上から見てる栞が不憫だからな、無理にでも誘うぞ」

「……放っといて」

「だから、これは栞のためなんだよ……香里がこんな状態じゃあ、栞も浮かばれない」

「……これは、栞があたしに科した罰よ」

「なわけねえよ。1週間だけでも、恋人だった俺が言うんだ。間違いない」

「はぁ……分かったわよ。とりあえず、参加するだけしてみるわ」

「おう、そうしろ」

そして、

「ねえ……栞……あたしの今の顔、そんなにひどいかな……」

さっきのループとは、少しだけ……ほんの少しだけ、ちがったループにはいる。

そして、次の日の放課後。

「よお、香里」

「香里、今日はうちでパーティ、だよ」

「相沢君、名雪、今日はめいっぱい楽しませてくれるんでしょ?」

「うん、任せて」

「期待を裏切ったら……承知しないからね」

昨日、壊れたように妹の名前を呼び続けていた少女が……。

今日、妹が生きていたときのような輝きを、取り返した。

おしまい。

あとがき

……瞬間芸。(マテ

まだ見たことのない栞バッドエンドからの続きです。(汗

きっと、この後の様子は、どこかでいろいろな人が書いているでしょう。(激マテ

2002.3/1菅野たくみ拝